年法人税法施行ガイダンスに関する通達20/2026/TT-BTC

2026年3月20日、財務省は、2025年法人税法および政令320/2025/NĐ-CP号(以下「政令320号」)の詳細な施行指針を定める通達20/2026/TT-BTC号(以下「通達20号」)を公布した

本通達は、企業が新たな規定を正確に理解し、適切に遵守するための重要な法的根拠となり、実務運用の統一性確保に資するものである。通達20号では、主に損金算入可能な費用に係る証憑書類、収益認識時期、および税務優遇措置の適用メカニズムに関するガイダンスが示されている。具体的な内容は以下のとおりである。

1.1  損金算入可能な費用に係る証憑書類の詳細規定

通達20号では、費用が税務上合理的な損金として認められるために必要な書類・証憑の種類について、相当の分量を割いて具体的に規定している。主な例は以下のとおりである。

・寄附金(教育、医療、災害支援等)
➞所定様式01/TNDNに基づく確認書の作成が必須

・非現金決済(500万ドン以上)
➞委任状および関連証憑一式の整備が必要

・職業訓練・教育費
➞研修費支出を明記した労働契約または財務規程、派遣決定書、受講登録書類に加え、修了証書・資格証明書または学習結果証明書の提出が必要
...

新たな規定においては、当期に収益を生じていない支出であっても、十分な証憑書類が整備されている場合には、損金として認められる可能性があります。具体例は以下のとおりです。

・賃貸用資産に係る減価償却費または費用配分(未入居期間中)
➞資産の所有権・使用権を証明する書類、資産管理および会計記録に関する資料

・販売前の製品・サービスに係る広告宣伝費・マーケティング費用
➞当該製品・サービスの生産投資方針に関する報告書

・毀損または使用不要となった資産の廃棄費用
➞廃棄に関する権限者の決定書、資産の種類・数量・価値・毀損原因・処理方法を明記した棚卸調書(企業の正当な代表者が署名・責任を負うもの)、廃棄処理委員会の設置決定および同委員会による処理決定書
...

さらに、本通達では、証憑書類の受容範囲が拡大されており、原本に加え、適法な写し、または法令に適合した電子証憑も認められることが明確化されている。

1.2 法人税優遇措置 書類および自己判定メカニズム

通達20号は、納税者による優遇措置の自己判定原則を引き続き強調するとともに、法人税優遇の適用に係る書類要件についてガイダンスを示している。これにより、企業は、法令上の優遇要件を充足していることを自ら評価し、これを証明するための関連資料を主体的に整備・保管する責任を負う。

優遇措置の適用にあたっては、事前承認は不要とされる一方、税務調査・税務監査の過程において税務当局による検証・見直しの対象となる。

拡張投資プロジェクトに関しては、企業は投資資本に関する書面通知を行い、これを年次の法人税確定申告書類に添付のうえ、遅くとも当該拡張投資を実施した事業年度までに提出する必要がある。また、その後の変更についても定期的に更新することが求められる。

1.3 法人税課税所得収益認識時期明確化

通達20号は、特定の事業活動における課税所得算定上の収益認識時期について、より明確な指針を示している。主な内容は以下のとおりである。

1.4 ベトナム法に基づき設立された企業の場合

輸出、建設、運輸、サービス提供等の各活動について、収益認識時期が具体的に規定され、法人税率の適用に係る解釈上の不一致や紛争の低減に資するものとなっている。

・輸出取引:契約に基づく所有権移転時点(特定できない場合は関税法規に準拠)
・航空運輸:輸送サービスの提供完了時点
・建設・据付:工事、工事項目または施工出来高の検収時点(代金回収の有無を問わない)
・電力・水道供給:請求書に記載されたメーター検針日

1.5 外国企業の場合

・持分譲渡:持分の所有権移転時点
・有価証券・譲渡性預金証書の譲渡:譲渡時点
・デリバティブ証券(先物契約)の譲渡:売買約定成立時点または先物契約の満期時点

なお、持分譲渡における収益認識時期は、当初の持分譲渡契約が効力を生じた時点とされる点に留意が必要である。

さらに、グループ内再編に伴う持分譲渡について、最終親会社に変更が生じない場合には、通達所定の要件を満たすことを前提として、課税所得の発生とみなされない可能性がある旨も規定されている。

1.6 外国企業に対する法人税の取扱い

通達20号は、従来の外国契約者税の枠組みの中で一体的に適用されていた外国企業に対する課税メカニズムを見直し、これを分離した上で、法人税法および政令第320号に基づき直接適用する方針を示している。これに伴い、通達103/2014/TT-BTC号における関連規定は廃止されている。

特に注目すべき点として、本通達では、課税所得算定上の収益から付加価値税を控除する旨の規定が明示されていない。そのため、外国企業の法人税の課税対象となる収益は、ベトナム国内で発生し受領する収入の総額(納付すべき税額控除前)として認識されることとなる。

1.7 経過措置

通達20号は2026年3月12日より施行されているが、2025事業年度の法人税課税期間から適用される。

・施行日前に発生した費用については、引き続き通達第96/2015/TT-BTC号の規定が適用される。
・なお、非現金決済および持分譲渡に関する規定については、政令第320号の施行日である2025年12月15日より適用される。

また、通達20号は、現行の法人税関連通達(通達78/2014/TT-BTC号および通達96/2015/TT-BTC号)を全面的に置き換えるものであり、規定の統合および適用上の重複解消を目的としている。