個人所得税法施行細則に関する政令案
2026年3月27日、財務省は、2025年個人所得税法の一部条項の詳細を規定する政令案を公表し、意見募集を実施した。本政令案は、税負担の軽減、イノベーションの促進、および社会保障制度の充実を目的としている。
主な内容は以下のとおりである。
2.1 優先分野に属する人材に対する個人所得税の免除
高度人材、特にテクノロジー分野における人材誘致を強化するため、以下の対象者に対する給与・賃金所得について、2026年より個人所得税の免除が提案されている。
・科学技術およびイノベーション活動に従事する個人
・デジタル産業における高度人材、ならびにハイテク技術および戦略的技術の研究開発活動から生じる所得(優遇期間は最長5年)
2.2臨時所得に対する源泉徴収基準の引上げ
税負担および行政手続の簡素化を目的として、以下のとおり基準の引上げが提案されている。
・労働契約を締結していない、または3か月未満の労働契約を締結している居住者個人に対する臨時所得について、10%の源泉徴収が適用される基準額を、1回あたり200万ドンから300万ドンへ引上げ
・当該10%源泉徴収済み所得に係る確定申告不要の年間基準額を、1,000万ドンから1,500万ドンへ引上げ
2.3中間食・昼食手当に係る上限額の引上げ
本政令案によれば、中間食費および昼食費は課税対象の判断対象となる福利厚生として明確化され、以下のとおり見直しが提案されている。
・現行の上限額(月額73万ドン/人、旧労働傷病兵社会省通達26/2016/TT-BLĐTBXH号22条4項に基づく。なお、同規定は通達003/2025/TT-BNV号により廃止済み)から、金銭支給の場合は月額120万ドン/人へ引上げ
・企業が従業員に対し、中間食または昼食を現物提供(自社調理、弁当購入、食券支給等)する場合、当該費用は個人所得税の課税所得には算入されない
2.4 任意年金拠出額に係る所得控除上限の引上げ
任意追加年金保険および生命保険に係る拠出金について、課税所得算定時の控除上限額を、現行の月額100万ドンから月額300万ドンへ引上げることが提案されている。
2.5 退職手当・解雇手当の非課税範囲の拡大
企業の財務規程、内部規程、労働契約または労働協約において、法定水準を上回る退職手当または解雇手当の支給が定められている場合、その超過支給分についても個人所得税の課税対象外とすることが提案されている。これにより、退職・失業時における納税者への支援強化が図られている。
2.6 時間外労働・深夜労働・休日未取得日に係る所得の非課税
労働法令に基づき支払われる時間外労働、深夜労働または未取得休日における労働に対する賃金・報酬は、個人所得税の非課税対象とされる。
ただし、法定基準を超えて支給される部分については、課税所得として取り扱われる。
2.7 一部所得に係る課税基準額の引上
一時的に発生する以下の所得について、課税基準額が1回あたり1,000万ドンから2,000万ドンへ引上げられることが提案されている。
・懸賞・賞金収入
・著作権使用料
・フランチャイズ収入
・相続および贈与による所得
2.8 医療費および教育費に係る所得控除の新設
財務省は、納税者および扶養親族に係る医療費および教育費について、適法な請求書・証憑の保有を条件として、以下の2つの案を提示している。
案1
・医療費控除:年間上限2,000万ドン
・教育費控除:年間上限2,100万ドン
案2
・医療費控除:年間上限2,300万ドン
・教育費控除:年間上限2,400万ドン

